D-3おひとり様の老後の備え

おひとり様の老後の備え

おひとり様のシニアライフには、悩ましく、心配なことがいろいろと待ち構えています。
・病気やけがで入院したりしたときに、誰に保証人や身元引受を頼めばよいのだろうか?
・入院中の自宅の管理は誰に頼もうか?
・介護施設に入ったら、ペットの世話はどうなるのだろうか?
・老後の医療や介護への備えは、足りるだろうか?
・認知症などで判断能力が衰え時、誰に財産を管理してもらえばよいのだろうか?
・自分亡き後の片付けや様々な事務処理はだれに頼めばよいのだろうか?
・遺した財産は、誰に引き継いでもらったらよいのか?
など等。

あれこれ心配して、眠れないといいながら、何をどう手を付けたらよいかと思いまどうばかりで、「何もしていない」という人は多いです。
おそらく、情報を集めることをしていないからかもしれません。

なぜ、情報を集められないのでしょうか?
それは「知ることが怖い」からです。

老後の自分の行く末は心配。
だけれども、何をどうしなくてはならないか、ということを知ったら、それと向き合わなくてはならないから、怖いのだ、と。


この問題は、おひとり様に限らないのです。
50代にもなると、親の介護や財産管理、相続の問題は、目前に迫っているので、向き合わざるを得ないです。
でも、自分のこととなると「元気で働けるうちは、まだ先の話」と思ってしまうのです。

これは何もおひとり様に限ったことではないです。
配偶者がいる人も子どもがいる人も、実は同じ。

自分の入院や介護。
自分の延命治療のこと。
自分の判断能力がなくなった時の財産管理。
自分の相続。

誰もが真剣に考えなくてはならないはずなのに…。
配偶者がいる人や子どもがいる人は、ある意味
「言わなくてもわかるよね。後はよろしく」と家族に対しての甘えで済んでしまうところもあるかもしれません。

でも、おひとり様は、そうはいきません。
「あとはよろしく」というのであれば、きちんと言葉にして、やってもらうべきことをお願いしなければなりませんから。

おひとり様の老後の備えとしては、
・長期の入院や介護に備えたお金
・相談ができる相手(人脈つくり)
・認知症対策に備えた仕組み作り
・死後の葬儀や納骨、諸手続きや片付けの手配
・それを有効にする遺言
これらすべてが必要になります。

「高齢になって、体が弱って自分一人では財産管理ができなくなる。さらにそのうちに認知症や寝たきりになるかもしれない。誰に自分の財産を管理してもらって、介護を続ければよいのか」。


このような心配に対しては

「民事信託」+「財産管理委任契約&任意後見契約」で、ある程度が解決できるでしょう。

 要介護状態になって、自分の財産が管理できなくなった時に、信頼できる人に財産を託し、自分の代わりに管理してもらうための仕組みが「民事信託・家族信託」です。
また、認知症になって、自分のことが十分にできないときには、介護の契約やケアマネージャーさんとの介護方針などの「身上監護」の面をカバーする仕組みてとして、任意後見契約を同じ人と結んでおくと、自分のことを信頼する人に任せることができます。

「自分亡き後の住居や部屋の片づけやもろもろも手続きは、きちんと誰かにやってもらえるだろうか?」


このような心配に対しては

自分の信頼おける人と「死後事務委任契約」を交わしておくとよいでしょう。
「死後事務委任契約」は、焼骨、葬儀、納骨から、住んでいたところの片付けや処分、家賃や管理費の清算、その他自治体に対する各種手続きを他の人に任せる契約のことです。
契約を実行するための費用が掛かります。
そのため、遺言を書いて、依頼した人に費用を払えるようにしておかなければなりません。
また、すぐに動いてもらうためには、当面の費用を信託会社に預けて置くことも大事になります。

「自分が遺した財産は、お世話になった人に渡していきたい。」


このような願いに対しては、

「遺言」を書かなければなりません。確実に遺言を実行するには、遺言に遺言執行人を決めておくことで、願いを叶えることができます。

おひとり様の老後の備えは、入院介護の費用やいざというときに支えになる人脈(友人や専門家)、そして、「財産管理委任契約&任意後見契約」+「民事信託」+「死後事務委任契約」+「遺言」の4点セットになります。


また、こうしたことを実行していくにあたり、自分の希望を書き残していくエンディングノートの存在も欠かせません。

これらを準備していく場合には、全体を把握して、何が必要かを洗い出していく作業から始め、優先順位を決めていくこと多いです。

その際に大事になるのは、実は、「『自律した人生』をどうデザインして、心豊かに暮らしていくか」になります。

どのような生き方をしていくのか、
どのような価値観で、大切にしているものは何か、それらが決まらなければ、「任意後見」も「民事信託」も契約書は作れません。

その人らしい生き方(価値観)のライフデザインがあって、初めて、その人が抱えるリスクが明らかになります。

リスクが明らかになれば、それをリカバリーするために何が必要かがわかります。

自分亡き後の人生の片づけを誰にどのように頼めば、他人に迷惑をかけずに済むのか。
多少は迷惑をかけても良いと思うのか。
考え方次第で、準備すべきことは変わってきます。


自分の手持ちの財産の中で、自分の価値観にあった暮らし方を長く続けるにはどうしたら良いのか。
それを考えながら、老後の備えを進めていくのが一番良いやり方だと思います。

そのためには、制度の正しい知識などが必要になりますので、早い段階で、私たちエンディングメッセージ普及協会のコンサルのように、老後の備えについて詳しい専門家に相談されることをお勧めします。
お気軽にご相談ください。