孤独死した部屋や建物について

21不動産02
自殺や殺人が起きた部屋を貸す場合や建物を売る場合には、貸主や売主はその事実を借主や買主に告知しなければなりません。
 
孤独死した部屋を貸す場合や建物を売買する場合はどうでしょうか。
 
孤独死は自然死なので、一般的には告知義務がないと考えられていますが、死後日数が経過し腐乱して死臭が発生した場合などは、告知が必要だという考え方もあります。
 
一般的な宅建業者の考え方は、借主買主が知っていたら借りなかったり買わなかった恐れのある事実は、後のトラブルを避けるために告知します。
 
次のような少し驚いた事例がありました。
 
相続で取得した土地建物(埼玉県K市)を売却したいという話がありました。
築40年以上の古い建物が建っている小さな土地でしたが、建物を解体後の土地だけを購入する建売建築業者がすぐに現れました。
 
ただし、その業者は、今回解体する建物で人が亡くなっていないことが契約できる条件だというのです。
 
解体して新築するのに…?? たとえ自然死であってもその業者は一切買わないというのです。
 
被相続人は、がんを患って自宅療養していましたが、幸いにも亡くなる数時間前に病院に運び込まれていて亡くなったのは病院でしたので、その業者と契約できることになりました。
もし、自宅で亡くなっていたらこの契約はできませんでした。
 
今、世間の常識が変わっていることを感じました。
 
今、空き家が増えて社会問題になっていますが、今後も増える一方です。
 
誰も住む予定の無い建物を相続して、処分に困っている方が大勢います。

首都圏であってもひとり暮らしの高齢者が孤独死した不動産は、処分が難しくなります。

私は東京上野駅からJRで1時間の茨城県でコンサルタントをしていますが、この周辺には30年以上前にミニ開発された住宅団地が多くあります。

こういう団地は住民の多くが高齢者で、夫婦二人だけで暮らしている方や配偶者が施設に入ったり亡くなったためにひとり暮らしをしている方が大勢います。

そういう場所では、必要が亡くなって売りに出しても長期間売れない物件が増えています。

今後、もっと高齢者が増えてきて自宅での介護、自宅での看取りが増えてきます。

処分できない空き家が増えていくのは間違いありません。

アベノミクスやオリンピックで首都圏の不動産は上昇しているようですが、淡い期待や懐かしい思い出で処分できない不動産を相続すると痛い目に合うことを知っておいていただきたいと思います。

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